髪を切れ

彼は言った
僕に向かって
言ってはいけないあの言葉


彼はきっと
嫉妬してるんだ
僕が彼よりデキル男だから


この世界のありとあらゆる
意味の分からん不条理は
みんなみんなみんな無くなってしまえばいい
そうさ僕は髪を切らない



すると彼は
連れて来たんだ
彼よりもっと強いヤツラを


みんなで僕を
ぐるりと囲み
連呼し続けたあの言葉


この世界に出来上がってしまった
年功序列の権力は
みんなみんなみんないなくなってしまえばいい
そうさ僕は髪を切らない



だけど僕は
ある朝突然
自発的に髪を切った


そして彼に言ってやった
どうだこれで文句は無いだろうと


誰に言われるままでなく
自分の意思で決めるんだ
たった1度の与えられた人生だから
そうさ僕は髪を切らない



数ヶ月後
また彼は言った
言ってはいけないあの言葉を・・・