NEW SINGLE「へんぺいそく」発売日の7月3日まで1週間となりました!
曲のタイトルを見て「何それ?」と思われる方も多いと思うのですが、そのリアクションは正しいと思います。(笑)
僕もまさか自分が「へんぺいそく」なんてタイトルの曲を作るなんて思ってもいませんでした。
大正7年生まれのじいちゃん。生きていれば今年の7月で97歳です。長崎で銀行員をやっていて、恰幅が良く威厳があったじいちゃんにはとある口癖がありました。
「おいはなぁ、へんぺいそくやったけん、戦争に行かんで済んだとぞ。」
小さかった僕はじいちゃんが怖かったこともあり「良かったね」「ラッキーやったね」といつも当たり障りの無い返答をしていました。
それから30年ほどの月日が流れ、祖父は他界し、娘が生まれたときに、そのじいちゃんの言葉を思い出しました。
そうか、じいちゃんがへんぺいそくじゃなくて、戦争に行って命を落としていたら僕は娘に会えなかったかも知れない。じいちゃんの変わった足の裏にも感謝だなぁと。
それと同時に気がついたことは、あの世代の男性にとって戦争に行かなかったということが人生の心残りだったのではないかと言うこと。
「非国民」なんて言葉が象徴するように、あのころは日本男子たるもの、お国のために命をかけて戦うのが国民として当たり前の時代。それをへんぺいそくという、後天的かつ障がいでもない、なんとも説得力に欠ける理由で免れたということは、本人にとって現代の僕らには到底理解のし難い、後悔の念のようなものがあったと思います。戦場へ行った周りの人たちからあれやこれやと心無い言葉を浴びたことは容易に想像がつきます。
だけど、戦後70年目の今、僕らの常識で考えたとき、そもそも戦争なんて絶対に無くて良いものであり、僕はこれからの子供たちのためにも未来永劫平和であって欲しいと願います。
法律改正で騒がれている昨今だから、長崎市生まれ長崎市育ちのミュージシャンだからという想いもありますが、それ以上にこの歌は戦後70年、祖父、母、僕、娘と「四世代目」が誕生し始め、当時を語る初代が完全にいなくなりかけている今しか生まれることの無い歌だと感じています。
僕らシンガーソングライターの務めは「今」を歌にして後世に伝えること。
2015年の「今」を伝える歌を世に出したいと思い、この曲をリリースするに至りました。
9th CD
へんぺいそく
(2015年7月3日発売)
01 へんぺいそく
02 100歳になった君へ
イラスト:飯面雅子
発売元:こころざし音楽工房
販売元:株式会社ワイズ音楽出版
¥ 1,000+税
SOMI-0304
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- アーティスト: 松尾貴臣
- 出版社/メーカー: こころざし音楽工房
- 発売日: 2015/07/03
- メディア: CD
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