きみに読む物語

omitaka2005-09-24

僕の中で「リバーランズスルーイット」を超える映画に出逢ったのは、今年の2月くらいだっただろうか。

知人に勧められて何となく海浜幕張の映画館に「きみに読む物語」という映画を観に行った。


内容に関しては「泣ける」としか聞いておらず、テレビなどで特集をされていたような注目映画ってわけでもなかったので、僕的には「たまたま時間が空いたから行ってみるか」というような軽い心もちで見に行ったわけだ。

あるある、そういこと。

あるよねぇ。





しかし、衝撃だった。


しかし、心が震えた。





見ててあまりに胸が苦しくなって、映画館から逃げ出したくなった。


そんな感覚は生まれて初めてだった。


「せかちゅう」でも「いまあい」でも泣いたし、素敵な映画だと思った。


でも涙のあまり、退席したいなんて思わなかった。考えもしなかった。


きみに読む物語」では違ったのだ。見てて悲しくなって胸がいっぱいになって、もうこれ以上見れないと思った。





いや、結局最後まで見たんですけどね。。。





昨日、「きみに読む物語」のDVDが発売された。僕はインターネットで先行予約をして購入した。

この前の野球のチケットもそうだが、インターネット購入ってすごいね。

今回はセブンイレブンで引き取った。インターネット上で予約をして近くのセブンイレブンで引き取るわけだ。24時間開いているから、いつだって取りに行ける。お会計もそのときできるし、クレジットカードでも決済できる。

そして、インターネット特有の割引もある。何と今回は20パーセントオフ!

近くのコンビニなら交通費もかからないし、どう考えても得をしている。
すごい世の中になって来たなぁと実感する。



最近、モノを買って胸が高鳴ることってあまりない。

例えば、子供の頃なんか新しい漫画本を買うと、本屋から家まで、その漫画を早く読みたい一心で走って帰ったりしたものだ。途中でどうしても我慢できなくなって、どっかの公園のベンチとかに座りこんで読んでしまったりしたものだ。


最近はそういう思いがあまりないなぁ。


でも昨日は久しぶりに胸が高鳴った。「早く見たい!」ってドキドキしながら家へと帰った。



家へ着くと早速部屋の明かりを消した。


全力視聴モードだ。映画は闇に限る。


しかし、あまりに先走って電気を消してしまったので、DVDのリモコンのありかが分からず、電気再点灯。

ホント僕の人生ってこんな感じだ。無駄に先走る。カウパーのような人生。




まあ、すっかり準備が整ったので改めて消灯。映画スタート!


1人で見る映画ってのも好きだ。

もちろん友達や家族や恋人と見る映画も好きだ。笑いや感動を共有できるから。

でも1人で見る映画は、とても集中できる。その映画の世界に入り込むことができるし、自分を包み隠さず投影することができる。



そう言えば、初めてだなぁ、DVDを「購入」するのって。僕の中でDVDは「レンタル」するものだ。
1本2000円も3000円もする映画をわざわざ買って見ようとするその心境が全く理解できなかった。

しかし、昨日買ったDVDはインターネット割引価格で5000円弱。でも迷いはなかった。

やっとDVDを「購入」する人の心境が理解できた。CDを買う人の心境に似ているのかも知れない。


プライスレス!!





ベストな状況を作りだし、映画を見る体勢を整えた甲斐あって、最初の5分くらいで既に涙腺を揺るがすものがあった。結末を知っているからか!?(笑)



最初の別れのときの「それが僕らのパターンだった」ってところで完全に泣いた。



そっからは泣き通し。人に見せられない汚い顔をしていたに違いない。あいたたた、いい男台無しだぜ。



まあ、映画をブログで伝えるのは難しいことだね。見ていない人もいるので「内容」に触れてはNGだし、「泣いた泣いた」って言っても逆に胡散臭いだろうし。どの辺が泣けるのかを言わないと説得力ないもんね。

それに、あまりに「泣けるよ」って期待を持たせると本来その作品が持っている良さを損ねてしまうかも知れない。

「リバーランズスルーイット」まさにその典型的例のような気がする。


期待無しに見ると心に響くのに、期待して見ると「??」ってなる映画だ。


「リバーランズスルーイット」は本当にいい映画だ。

でも、一般的に有名な映画のように「仕掛け」がない。派手さもない。だから心を無にした状態で見ないとなかなかグッと来ないだろう。

よくないねぇ、よくない傾向だ。資本主義社会の悪しき部分だ。

利益を出すためには満足のさらに上を行く満足を作りあげないといけない。

前の作品を超えるための劇的さを求めなくてはならない。

「泣かせる」ための仕掛けのある映画は僕は好きじゃない。「アルマゲドン」とか「グリーンマイル」とか。

いや、泣いたけどさ。両方とも2回以上見てるけどさ。(爆)


「リバーランズスルーイット」の良さは「アメリカの田舎街に流れる緩やかな川」に象徴される、「人生の静かな流れ」なのである。

あの地味さが心打つのだ。






まあ、「リバーランズスルーイット」もそうだが「きみに読む物語」も、ひとまず期待せずに1度見て欲しいものだ。


僕は名作だと思う。いろんな泣ける要素が含まれていて、入り込めれば2時間で5回は泣ける!




おじいさんの家族を前にして「お母さんは最愛の人だ」っていうシーンもグッとくる。


「彼のいる世界とあなたのいる世界は違う世界なの」って言葉が胸に響く。


お母さんの意外な過去にもグッと来る。


そして「永遠」を感じるラストシーン。



・・・。



ああ、言いたい!内容言いたい!!


早く見て下さい、みなさん。1秒でも早く。そして語り合いましょう。