今日は奇跡的な早起きをして、大学時代の友人に会って来た。
某大手広告代理店で働くビジネスマンだ。
大学時代はたいそうモテてた。
もちろんできる男だったわけだが、面倒見も人当たりもいい男で、何よりキムタクに似ていると評判だったからである。
僕は上京して数日後、母親と西千葉から千葉へ向かう総武線の中で初めて彼を見た。
衝撃だった。
さすが関東、電車でキムタクに会えるとは!と本気で思った。
学科のオリエンテーションで再会したとき、驚くと同時に「友達になりたい」と思った。
あれから10年、彼は一流企業の社員になり、結婚をして、子供も生まれた。
僕はと言うと相変わらずだ。
まるで彼や他の仲間たちがそこにいたということを、生きながら証明することが仕事かのように、同じ場所にあのときのまま生きている。
卒業から6度季節は繰り返し、7度目の春を迎える。
再会した彼は、キムタクの面影は少し消えかけていたけれど、相変わらず一緒にいて落ち着く存在だった。