何のために歌を歌うのか

ツアーでの9日間、70時間程車の中で過ごした。千葉⇒高知⇒長崎⇒高知⇒千葉と総移動距離は3000kmを超えた。


今回はさすがに大変だった。もはやツアーというより、修行だと思った。



しかし、基本的に僕は車の移動が嫌いじゃない。(だからこんなことが出来るんだろうけど。)

車の中では、運転以外にやることがない。(当然だが。)

しかも高速道路は、一般道よりも遥かに運転が簡単。横から飛び出して来る人もいなければ、信号も無いからだ。ぶつからないように前の車との車間をしっかり取っておけば、事故に至る確率は一般道よりも遥かに低い。



だから、車の中では、ものすごくいろんなことを考える。

今までのツアーのことを見つめなおしたり、音楽活動のこれからを考えたり、自分は「何のため」に歌っているのかをいつも以上に真剣に考える時間となる。それは日常のいぜわしい生活の中ではなかなか取れない時間だ。



そして、車内ではひたすら「中村文昭さんの講演MD」を流している。これは山口県周防大島の兄弟デュオ・マウンテンマウスのまーしーくんから2年前にもらったものだ。(まーしーくんは今日誕生日!おめでとう!)

もう、あれから何度も何度も聞いている。




非常にモチベーションが上がる!




あまりにもモチベーションが上がりすぎて、昨年のゴールデンウィークには伊勢のご本人のお店にまで会いに行った程だ。

http://d.hatena.ne.jp/omitaka/20090506




その講演MDのどこに自分は魅かれるのか。



それは



何のために



を考えさせてくれるからだ。



大好きなフレーズがある。




「夢の無い奴は、人を喜ばせながら生きることだけを考え続ければいい。そうすれば、必ず社会から役割が与えられる。あんたがみんなから必要とされるようになる。そのときあんたの人生はもう誰にも止められなくなる。」




僕は、この言葉を励みに活動を続けているような気がする。






何のために歌を歌うのか。




意外とその答えは、音楽を始めたばかりの中・高生たちが持っていたりする。


「自分は人を勇気づけられるような歌手になりたい」


だいたいの子たちはそう言う。そこには、「歌が大好きで大好きで、この想いにもう蓋ができない」という純粋な気持ちがある。

僕も高校生の頃はそう思っていた。




でも活動の中で、いわゆる東京一極集中の「商業音楽」を目指す過程の中で、その言葉は忘れ去られる。その純粋な想いは、名声やステータス、お金、様々な欲望に支配されかき消されてしまう。「それが生きるってことなんだよ」って教えられる。


それでも、その世界で成功したら、過去の純粋な想いは実現できるかも知れない。有名なミュージシャンたちはこぞって社会貢献活動を行っている。心に余裕が生まれると、役割がそこで初めて見つかるのだろう。






でも、売れないと役割が見つからないっておかしくないか?





売れることは社会貢献ではない。

エゴだ。

自分自身の欲求を満たしているだけだ。

それを目標にすることはバカげている。





僕は中村さんの講演MDを聞いて、その想いがはっきりと芽生えた。

ホスピタルライブもこの2年半で200か所を越えた。それ以外の年間ライブ数は250本を数える程になった。

今、僕は社会における自分の役割を見つけた。




この歌で、この活動で、社会を元気にすることだ。




もう、売れるか売れないかなんて考えない。それだけを考え続けていく。

それは、人の人生にとってとてもとてもささやかなものかも知れない。

他のミュージシャンにとって全然羨ましく思うようなものじゃないかも知れない。

それでも、いいじゃないかと思う。



自分で見つけたのだ。




人からもらったものではない。

こんなに素晴らしいものは他にない。





同時に、自信というものを授かった。応援してくれる多くの仲間が見つかった。

もう誰にも止められない。





留めおかまし大和魂!!!




もう誰にも止められんばい。