ボランティア

omitaka2005-07-06

今日のお昼過ぎ、僕は諸事情により、某ダイエーの正面玄関のところでボーっと座っていた。
世の中には色んな事情というものがあるのだ。

そのとき、知らないおばさんとお婆さんの2人が僕の前に立ちはだかり、いきなり声をかけられた。


「ボランティア」やりませんか?と。


ボランティア??


ボランティア!!


素敵な響きだ。僕はボランティアのためにこの世の中に存在しているような男だ。ミスターボランティアだ。歩く善意だ。興味を示さない訳がない。


すっと手渡されたチラシにはベッドに寝ている老人と若者のイラストが書いてある。(写真参照)


「ああ、介護系のボランティアね。」


本能的にそう思った。誰だってそう思うだろう。僕は間違ってはいないと思う。



結果的にその直感はほとんど間違っていなかったが、根底からして間違っていた。。。



タイトルの部分には大きくこう書いていた。




「スピリチュアルボランティア(手かざし)体験会」



手かざし・・・??


言われてみれば、イラストの若者も老人に「手かざし」してる!!



おばさんは聞いてもいないのにべらべらと語り始めた。


「この集まりに来て、手かざしをしてもらうと色んな悪いことが治るんですよ。このお婆さんもね、80歳超えてるんだけど、この前手かざししてもらってこんなに元気なったのよ。最近の若い人にも肩こりだとかなんだとか悪いところいろいろあるだろうからきっと役に立ちますよ。」



・・・そっち系か。。。この怪しいババアはそのためにいるのね。。。

昔、実家にいた頃、何かの宗教の勧誘にしょっちゅう来ていたおばちゃんの作戦に似ている。
そのおばちゃんは必ず「小さい子供」と来るのだ。相手の警戒バロメータを下げるための作戦だ。



・・・宗教かいっ!!




なんで関東にはこんな人が多いのだろう。狂った街だ。そんな手をかざしただけで病気が治るなら現代医学は必要ありません!!ブラックジャックによろしくをあなたは見てないんですか??

大体子供ならまだ無邪気でいいが、婆さんは何だか余計嫌な気持ちになる。なんだろうあの違和感は。



・・・僕は出来ることなら完全に無視したかった。
しかし僕はこういうのはうまく無視できないのだ。

「うざい、あっち行け」など言えない。どっかにすっと立ち去ることも苦手だ。

だから「そうですか、うん、うん」と目を合わせずに聞いていた。だからおばちゃんは調子づいて話し続ける。

しょうがないので、適当な相槌を打ちながらチラシを見てみた。

こんなことが箇条書きで書いてあった。体験談だ。




・膀胱ガンが消えた!
・原因不明の発作が快方に!
・ひどかった生理痛が解消!
・顔面やけどがアトも残らずきれいに!
・失業したが仕事が与えられた!
・登校拒否・ひきこもりが解消した!
・食品に手かざしすると様々な変化!etc...




・・・マジですか。。。会いたい、この体験談を述べた人に。。。どんだけだよ、お前。


一体誰が手かざししてくれるんだろう。サイババ


そして、チラシの中からこの「ボランティア」の最もキーワードとなる文章を発見した!



「不幸現象の大きな原因は目に見えない世界(霊界)からの影響が大きいのです。」



霊界かい!!



そっちかー。霊関係かー。



相槌打ちつつも反応の悪かった僕に見切りをつけたのか、おばさんたちは立ち去った。スコールのごとく僕に激しい衝撃を残して。


悩んでいる人、チラシあげるので僕に一報下さい。(笑)


いやぁ、生き方って人それぞれだなぁ。世界にはいろんな人がいるよ、母さん。