谷間の世代その1-ポケベル-

ポケベル。

ポケベル。

ポケットベル




なんであんなもんが流行ったんだろうなぁ。




ピンポイントだ。超ピンポイント。1979年生まれを狙い撃ちしたのかと言うくらいピンポイントなのだ。
上にも下にも3学年、いや2学年ずれていればもうその青春には登場しないであろうアイテムTHE「ポケベル」。

時代の荒波に揉まれ一瞬で消え去った負の遺産。ポケベル。

いわゆる一発屋だ。

僕らの青春が一発屋だなんて・・・。

そんな悲しいことはどうしても口にできない。

トラウマだ。



いや、もちろん然るべき場所では今でも必要とされているんだろうけどね、医療系とか。

しかし「若者の流行」という視点からのみ言えば、これは明らかに心に刻まれた黒い十字架以外の何物でもない。



ポケベルは僕らが高校2年生から3年生になるにかけて猛烈に流行った。

まあ、今でいう携帯メールのハシリだ。電話から数字を入力することで相手のポケベルにメッセージが届く。

若かった僕らはメールを打ち狂った。狂っていた。人にメールを送りたかったのだ。パソコンも携帯もないあの時代。「メール」なんて画期的なものが初めて僕らの人生に登場したのである。メールを送り・もらうことにこの上ない悦楽を感じていたのだ!


当時、学校の公衆電話には行列ができていたし、僕らは常に「テレホンカード」を数枚所持していた。
今では考えられない慣習だ。


このメール1メール何円とかではない。今みたくパケット計算ではないのだ。


時間


この概念が全てを大きく左右する。

のんびり打ってたらその分課金されていくのだ。しかも超課金早い!定かではないが20秒程度でテレホンカードが1度減っていた。10円分だ。

だから下手すれば1メール、20文字くらいを送るのに20円、30円くらいするのだ。

高っ!!

アホだ。

現代人が知ったら絶対あの頃の僕らを罵りあざ笑うであろう。


だから僕らは言わない。ポケベルのことは暗黙の了解で口にしない。
心に刻まれた十字架なのだ。僕らの世代はそれをみんな背負って生きているのだ。



しかもあの年代だから、しょーもないことをメールし合ったりする。

「ただいま!」とか「おはよう!」とか。


その「ただいま!」が10円!!


やっぱ言えないな。そんな事実。誰にも言えない。(涙)






そして忘れてはいけない歌がある。


ポケベルが鳴らなくて


どーん!!

残念。。。