ゆりのき

胸の中のポケットがもしもいっぱいになったなら、
まず始めに何を捨てる?

過去かな、今かな、未来かな?

バランス保って生きることにいつか行き詰ったときは、
何かにすがりつく?

身近な、確かな、愛かな?


古いアナログな記憶は輪郭がぼやけて行くね
君が自分の所在、見失うなら
いつでも僕がそいつのありか教えてあげる


ゆりのきの小さな花がまさに今咲き誇ろうとしている
季節は巡り人も入れ替わり、
新しい夢と懐かしい夢が溶け合って、混ざって、固まって・・・



改札を出て左、階段を駆け上がると、
木霊する若者の喧騒とキャンパスの匂い
ロータリーの前に立ち瞳を閉じて
耳に手を当て風の音を聞けば
「一体何が終わってしまったと言うんだ?」
まだ忘れちゃいけないものがここにはあるさ


君が去って行ったこの街は少しずつ変わろうとしている
熱い想いは繰り返される 笑い声だってそう
もう大丈夫、車輪はほらキレイに回り始めた



昔から降り続くこの雨は未だ止もうとしないのだけど
それはそれで僕に与えられた生き方だ拒んだりはしない
もはや「通り雨」ではなくなったなぁ
この夜が明ける頃に、世界はとたんに晴れ渡るんだ、ほら・・・ 



ゆりのきの小さな花がまさに今、咲き誇ろうとしている
季節は巡り僕だってそれなりに変わって行くさ
今、無限の円を描くよ

君が去って行ったこの街は少しずつ変わろうとしている
仕事が落ち着いたら飲みにでも来いよ
あの日残した足跡が今もどこかに生きる街へ