幸せってなんですか?
お金ですか?
いつからそうなったんですか?
お金を持っている人は「偉い人」なんですか?
最近、そんなことをよく考える。
きっとお金が欲しいんでしょう。貧乏ですから。(笑)
でもね、そんなに大金は要りません。日々生活が出来て、音楽活動を続けられるだけのお金があれば十分です。
今はそれもままならない状況だから、頑張らなきゃなって思っている。
でもね、現代人はもう気が付き始めている。
人生の価値を決めるものはお金じゃないってことを。
もう充分なんですよ。お金が無いお金が無いって言っても、ポジティブな想いさえあれば死にはしないんですよ。この日本という国家で、僕らは十分に守られている。
お金を稼ぐ天才たちが、その使い道を誤り、没落していく様を僕らはメディアを通して嫌という程見せつけられている。
入口では天才かも知れないが、彼らは出口では凡人、またはそれ以下なのだ。
まぁ、僕を含め、多くの人が「お金の入口の天才」に憧れて生きて来た。
いい大学に入り、いい会社に入り、出世して安定した収入を得ることが美学だと教えられて来た。
でも、安定ってなんだろう。
あの超一流企業でも大規模なリストラが行われているじゃないか。
時代は静かに変わろうとしている。
最近「リタイアしたら田舎で生活したい」「農業に従事したい」という人によく出会う。
僕もそう、おじいちゃんになったら、ワイフと海の見える田舎で生活したいと思っている。
人生の終わりを感じ始めたら、大事なことはもうお金じゃなくなっている。
でも、50年前にそんなことを言う人がいたのだろうか?
だって田舎で生活し農業に従事することって「当たり前」だったのである。
きっとその頃の人たちは「近代化した都会の町で生活をする」ことが夢であり憧れだったに違いない。
もう、日本人は、その近代化した都会作りに成功した。
もはや日本に田舎はなくなった。
今や「田舎らしい田舎」を作ることがビジネスになっている。
今や無農薬野菜はステーキよりも価値がある食品だ。
西千葉に住んでも、長崎に住んでも、生活は変わらない。
同じ全国チェーンのコンビニや飲食店やショッピングモールがある。欲しいものは日本中どこにいても手に入る。
日本全国同じテレビ番組を見ることが可能で、わからないことがあればインターネットで検索すれば良い。
大手企業の全国展開によって、日本から田舎は消えた。
それは素晴らしいことだった。
実現するまでは。
10月11月と全国ツアーをしていて、時々僕は「自分が今どこにいるのか」が分からなくなった。
なぜなら、街中の景色は日本全国ほとんど同じだからだ。
それくらい日本の近代化は徹底されていて、僕は少し恐ろしいとさえ思った。
そして何よりつまらないことだと思った。
現代人はもう気が付き始めている
幸せはお金じゃ買えなくなったということを。
吉田松陰は獄中、処刑される寸前に言った。
と。
この身は今この武蔵の土地にて朽ち果ててしまうけど、もう止められないよ。日本人の魂は動き始めているんだよ。あなたたち幕府の人間にはもうどうにも止められないよ。
そう言った。
まさに、今自分の生涯が終わろうとしている状況の中で、そう言った。
亡骸を引き取りに来た壁の向こうで、その言葉を聞いた桂小五郎や高杉晋作や伊藤博文らは、その言葉聞き号泣した。その言葉が確実に彼らの心を強く揺さぶった。
そしてまた、彼らが他の多くの志士たちの情熱に火をつけた。
坂本龍馬もその1人だ。
お金のためじゃない、日本の未来のために彼らは命を投げ出して、やがて維新を成し遂げた。
今、僕はこの平成の時代に生きて、何ができるのかを模索している。
命が燃え尽きるまでにやるべきことを探している。
希望の光は
現代人はもう気が付き始めている
ということ。